「あなたがたは地上に富（Treasures＝宝）を積んではならない」イエス様ははっきりとおっしゃいました。人間社会がはじまって以来、人はこの世でできるだけ多くの富を積むため、努力や挑戦をし続けてきました。富はTreasures、宝物のことです。宝石や金、ビジネスで得られる巨額の収益をはじめ、地位、名誉、権威、学歴、アワード、ステータスとしての高級車、ブランド品、高級グルメ…etc.などがそれにあたるのでしょう。
ではどうしてイエス様はこの世で富を積んではならない、と断言されるのでしょうか？
これらの富を与えられている人、勝ちとった人には、次はこれを、次はこれを…という風に際限なく富を求めてしまう苦しさや焦りが恐らくあるのではないでしょうか。富の奴隷になってしまう、ということかもしれません。また逆に与えられない人にとってはそれを目指すハングリーな精神、また必死に努力しても得ることができない悔しさ、この世の不平等さに虚しさや怒りを覚えてしまうのかもしれません。この状態も精神的に全く自由ではない状態です。
イエス様は次に「富は天に積みなさい。そこでは虫が食うことも、さび付くこともない。強盗が忍び込んでそれを盗まれることもない」とおっしゃいます。ではこの言葉の意味は何でしょうか。
天＝天国のことで、ここは争いも悲しみも涙もない安全なところだと聖書は教えています。実は、人間が死から復活して天国に携えてこられるのは、ただ「愛の行い」だけだとも聖書は言っています。だから、この地上にいる間に「富を天に積みなさい」とは、「愛の行いをしなさい」と解釈できると思いました。しかし、この「愛」は主の愛に裏打ちされた、神様から与えられた愛である必要があります。また、この愛の行いは天では誰からも非難されたり抹消されたりすることはなく、永遠に保存されます。
世の富に飽き足りたある人々が次に求める事は寄付やボランティアなど他者への支援であることは知られている通りです。また、現代では災害や戦争、疫病が激しさを増す中、世の宝は金銀やステータスでなく、家族や隣人との絆、人間関係、SDGsなど地球共存の精神こそがこの世の宝であるという考えが主流となってきています。もちろんこれらは大切な考え方だと思います。しかし、イエス様がそこにいなければ、イエス様の愛に裏打ちされた行いでなければ、それらを残念ながら天に宝として積むことができません。
「あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ。」心を天に、イエス様に向けた時、私たちの宝物箱はこの世でなく、天に変わるのです。「まず天を求めれば、世に必要なものは全て与えられる。」これは今学んでいるマタイの福音書を通し、イエス様が一貫して私たちに教えて下さっていることです。これを信じる事が信仰です。私も主人もこれを信じた結果、何事にも変えることのできない心の平安が与えられています。これは事実なのです。この平安があれば世での様々な思い煩い、苦しみから少しずつではありますが不思議なほど解放されていくことに自分自身も驚いています。
勇気を出して、まずイエス様を求めてみませんか。神様はそのような人たちに愛の行いのための力を与えてくださり、また結果的に驚くほどの宝物、この世では決して手にいれることができない宝物を惜しみなく与えてくださるはずです。
